日本は明治維新の後、この150年大きな発展を遂げてきました。明治天皇妃、美子皇后(1849-1914)のちの昭憲皇太后は、新しい時代を迎えて近代化が進められる中、洋装の先駆者となるとともに、伝統的な絹産業も重んじられ、その発展にご尽力されました。皇室の洋装儀礼のうち大礼服は最も格式が高く新年拝賀などに着用された第一礼装です。この大礼服が象徴するものは、単に和装から洋装への移行にとどまらず、宮中文化ひいては日本国民の生活文化の変革、外交儀礼上の意味、繊維技術の維持発展、洋風の薔薇文様に顕れる西洋美術の影響など、様々な分野に及びます。

この、明治時代、そして昭憲皇太后の崇高な御事蹟を象徴する大礼服は、明治時代後半に京都の大聖寺門跡に御下賜され今日まで大事に護られてきました。しかしながら、伝統的な絹織物を基調に重厚に施された刺繍や装束全体には烈しい傷みがみられるようになっています。貴重な歴史資料であるこの大礼服を修復・復元し後世に伝えることは私たちの責務であるとともに、改めて大礼服制作にかかる由来や技術、大礼服が果たした役割などを調査研究することで、当時の日本社会、世界との繋がり、昭憲皇太后の御事蹟に思いを巡らせることが可能になると思われます。折しも、昨年明治維新150年を迎えました。この機会に近代日本の象徴的遺産である昭憲皇太后の大礼服を修復・復元し、また研究成果を後世に残していくために、このプロジェクトを立ち上げます。

プロジェクト事業概要

修復復元活動 

1. 昭憲皇太后大礼服の修復復元(トレイン、ボディスの修復、スカートの復元)

2. 修復事業のための募金活動、研究活動     

3. 明治時代における日本の近代化を背景に、この大礼服の制作、用途などの意味・意義を探求

4. 制作背景を明らかにした上で、大礼服の適切な伝統的染織品の修復方針を考察

5.明治神宮鎮座100年記念シンポジウム開催(2020年)にあたり昭憲皇太后大礼服に関するテーマにて研究考察の探求

出  版     

6.昭憲皇太后大礼服研究修復復元事業のまとめとして出版事業