昭憲皇太后がお召しになった現存する最古の大礼服(大聖寺門跡所蔵)の修復と研究プロジェクトが平成30年から始まり、このたび無事に完了しました。大礼服とは最も格が高い宮中の礼服です。5年に及ぶ調査から、このドレスは明治20年代前半に日本でつくられた可能性が高いことなど、さまざまな事実が明らかになりました。

 シンポジウムでは、プロジェクトに携わった国内外の研究者および修復・復元の専門家が一堂に集い、その成果を報告します。さらに、昭憲皇太后の思いを引継ぐべく、これからの技術継承のあり方について議論します。

 また、明治神宮ミュージアムでは修復を終えた大礼服を特別展示します。シンポジウム参加の方には会期中(4/6-5/6)の拝観料(1000円)が無料(1回)になる拝観チケットを進呈します。

 この貴重な機会に、一着の大礼服から広がる美の世界と豊かな歴史物語をぜひご堪能ください。

申し込みは コチラ から。

国際シンポジウム「受け継がれし明治のドレス」 令和6年4月6日

国際シンポジウム詳細について、および参加申込は下記QRコードより あるいは コチラ から。

【チケット販売開始】2月15日(月)0時〜

昭憲皇太后大礼服研究修復復元プロジェクトについて

日本は明治維新の後、この150年大きな発展を遂げてきました。明治天皇妃、美子皇后(1849-1914)のちの昭憲皇太后は、新しい時代を迎えて近代化が進められる中、洋装の先駆者となるとともに、伝統的な絹産業も重んじられ、その発展にご尽力されました。皇室の洋装儀礼のうち大礼服は最も格式が高く新年拝賀などに着用された第一礼装です。この大礼服が象徴するものは、単に和装から洋装への移行にとどまらず、宮中文化ひいては日本国民の生活文化の変革、外交儀礼上の意味、繊維技術の維持発展、洋風の薔薇文様に顕れる西洋美術の影響など、様々な分野に及びます。

この、明治時代、そして昭憲皇太后の崇高な御事蹟を象徴する大礼服は、明治時代後半に京都の大聖寺門跡に御下賜され今日まで大事に護られてきました。しかしながら、伝統的な絹織物を基調に重厚に施された刺繍や装束全体には烈しい傷みがみられるようになっています。貴重な歴史資料であるこの大礼服を修復・復元し後世に伝えることは私たちの責務であるとともに、改めて大礼服制作にかかる由来や技術、大礼服が果たした役割などを調査研究することで、当時の日本社会、世界との繋がり、昭憲皇太后の御事蹟に思いを巡らせることが可能になると思われます。折しも、昨年明治維新150年を迎えました。この機会に近代日本の象徴的遺産である昭憲皇太后の大礼服を修復・復元し、また研究成果を後世に残していくために、このプロジェクトを立ち上げました。

プロジェクト事業概要

修復復元活動 

1. 昭憲皇太后大礼服の修復復元(トレイン、ボディスの修復、スカートの復元)

2. 修復事業のための募金活動、研究活動     

3. 明治時代における日本の近代化を背景に、この大礼服の制作、用途などの意味・意義を探求

4. 制作背景を明らかにした上で、大礼服の適切な伝統的染織品の修復方針を考察

5.明治神宮鎮座100年記念シンポジウム開催(2020年)にあたり昭憲皇太后大礼服に関するテーマにて研究考察の探求

出  版     

6.昭憲皇太后大礼服研究修復復元事業のまとめとして出版事業 (2025年出版予定)

ご支援のお願い

出版ご支援のお願い

五年に及ぶプロジェクトの総費用は約2,500万円を予定しておりました。ご支援をくださる団体、および企業様にお力添えを賜りましたが、この間、コロナ禍等による社会状況の変化も相まって、なかなか予定通りに集まらず、現状では、大礼服修復保存や様々な研究結果を取りまとめ出版するための費用が不足しております。

洋装の先駆者であられた昭憲皇太后様、その大礼服の物語が次代につながりますよう皆さまの御理解と御支援を御願い申し上げます。

昭憲皇太后大礼服研究修復復元プロジェクトは、公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団の協力を得ております。

ご寄付は税法上の優遇措置が受けられますので、詳細につきましては、問い合わせフォームへお尋ねくださいませ。

ご寄付の申込先:公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団

※(公財)文化財保護・芸術研究助成財団の協力の下、ご寄付は税法上の優遇措置が受けられます。

文化財保護・芸術研究助成財団サイト

 *文化財保護・芸術研究助成財団資料請求サイト