眞如寺は京都市北区にあり、鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)とともに相国寺の3つの山外塔頭を構成する寺院の一つであり、勧請開山は無学祖元である。お寺の歴史は相国寺の創建より約100年前で、無学祖元歿後の弘安九年(1286)に無学の弟子で京都尼五山筆頭の景愛寺住職であった無外如大尼が無学の遺爪髪を祀るための塔所として「正脈庵」を築いたのが始まりである。
 無外如大尼(1223−1298)は鎌倉時代後期の臨済宗初の尼僧で、令和5年(2023)に無外如大禅尼は生誕800年を迎える。尼五山筆頭の景愛寺の開山であり、その法灯を尼門跡寺院大聖寺、宝鏡寺、宝慈院などが継ぐ。これらの寺院だけでなく、後世の尼僧たちに大きな影響を与えた無外如大像を修復し、如大の残した遺徳を今まで護り継がれてきたように、今後も後世に伝える必要があると考え、令和2年 (2020)より、公益財団法人 美術院にて2年計画で修復事業を行っている。