中世日本研究所(京都)は、ニューヨークのコロンビア大学中世日本研究所から派生した独立研究機関で、1968年にアメリカで設立され、2018年に50周年を迎えました。

 京都・奈良に残る尼門跡寺院に関する研究に取り組んでおり、女性仏教文化史研究センターとして、日本の宗教史や文化史の中で、尼門跡寺院がしっかりと認識され位置付けられるよう研究活動を行っています。

 尼門跡寺院とは、皇族や公家・将軍家などの高貴な出自の女性が代々住持をつとめた寺院で、独自の文化を伝え「比丘尼御所」とも呼ばれていました。飛鳥・奈良時代から江戸時代には数十ヵ寺が存在していましたが、今日では十数ヶ寺にまで減少した特別な寺院です。御所との繋がりから皇室より下賜された宝物や、寺院ゆかりの宝物、無形の伝統や御所ことば、そして多くの特別な年中行事も伝えられています。

 中世日本研究所は、このような尼門跡寺院を多方面から支援しています。修復事業の推進のため、公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団の支援を受け「尼門跡寺院修復保存プロジェクト」を20数年前に立ち上げました。小宮廷ともいえる尼門跡寺院の貴重な宝物類(絵画、彫刻、染織、工芸品など)、また歴史的建造物など、多岐にわたる修復保存を推進し、研究との相乗効果に努めています。

 修復事業は、文化財保存の観点に留まらず、協力者支援者を募ることで文化継承の大切さを発信し、また修復に不可欠な技術者やその材料などの供給者の育成と継承にも繋がる大変重要な事業です。

 文化の象徴としての尼門跡寺院が、この時代に消滅してしまえば永遠に失われてしまいます。文化力の指標としても重要な尼門跡寺院が存続していくことを願い、日本国内及び国際社会においても認知されるよう、今後も多くの方々や組織と連携しながら活動してまいります。

中世日本研究所   

所  長 モニカ・ベーテ

研究室長 パトリシア・フィスター 

副 所 長  桂 美千代

名誉所長 バーバラ・ルーシュ