尼門跡寺院の歴史にとり、無外如大禅尼は大変重要な尼僧である。無外如大禅尼(1223−1298)は鎌倉時代後期の臨済宗の高僧で、令和5年(2023)に生誕800年を迎える。鎌倉時代の景愛寺の開山であり、その法灯を尼門跡寺院 大聖寺、寶鏡寺、寳慈院が継いでいる。
これらの寺院だけでなく、後世の尼僧たちに多大な影響を与えた無外如大禅尼の残した遺徳を今後も後世に伝える必要があると考えプロジェクトを立ち上げた。無外如大禅尼については、何世紀にもわたり定期的に行われた遠忌によっても遺徳が継承されてきたが、歴史的な人物としては充分に理解されておらず、2023年の如大生誕800年を機に、無外如大禅尼とゆかりの眞如寺や松見寺などを含む調査研究をさらに進め、無外如大禅尼について現存する資料や語録を中心にまとめた資料集(日英)の出版などを計画している。
また、眞如寺蔵の無外如大禅尼像の修復事業を、2020年度より公益財団法人美術院 国宝修理所にて2年計画で行っている。